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富裕層の贈与の進め方


現金贈与

富裕層の皆さまは、相続対策のために贈与を行っている方が大多数でしょう。


メリットがある贈与を行うために、贈与を少しだけ深く知っていきましょう。


贈与の基本

贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる。


と、民法に記載されています。


つまり、贈与とはあげる人ともらう人の契約行為となります。


この点をよく理解していただくことがとても大事になります。


生前贈与の種類と特色

贈与には、大きく分けて

生前贈与、負担付贈与、死因贈与とあります。

中でも、相続対策として行われているのが、生前贈与です。


生前贈与には、


「暦年贈与」「相続時精算課税制度」がございます。



税金の面からお伝えすると、

暦年贈与は、毎年110万円の非課税枠があり、贈与額に応じて税率が10%から55%と変動します。

相続時精算課税制度は、2,500万円の特別控除があり、同一の父母または祖父母からの贈与で限度額に達するまで何回でも控除することが出来ます。

贈与額が2,500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税されます。


大事な点としては、

1.「相続時精算課税制度」を選択した場合に、「暦年贈与」の110万円の非課税枠の利用ができません。

2.「相続時精算課税制度」は、名の通り、相続時に相続税の計算で贈与税は精算され、相続税を支払うことになります。



「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」のどちらがいいの?

一般的な富裕層の方であれば、

「暦年贈与」を選択した方が相続対策となります。


相続税の税率が高くなればなるほど、「相続時精算課税制度」で贈与を行うメリットが無くなってきます。

贈与後に財産価値が著しく上昇する場合等の例外もありますが、基本的に相続税の税率で贈与した形になってしまいます。


「暦年贈与」の場合には、相続時に過去3年の贈与について相続の計算に組み込みますが、それより以前の贈与については相続とは切り離されます。

そのため、贈与の期間が長ければ長いほど、メリットが出てきます。



暦年贈与と相続税

では、贈与の額はどのように決めていけば良いのでしょうか。


税率で比較してみましょう。


贈与税の税率

特例贈与財産用…直系尊属(祖父母や父母等)から20歳以上の子や孫への贈与)

110万円を贈与した場合には、贈与税額は0円なので、実際の税率は0%

500万円を贈与した場合には、贈与税額は48.5万円なので、実際の税率は9.7%

1,000万円を贈与した場合には、贈与税額は177万円なので、実際の税率は17.7%

3,000万円を贈与した場合には、贈与税額は1035.5万円なので、実際の税率は34.5%


1,000万円の贈与を行ったとしても税率は20%を下回ります


資産規模が10億円を超えている方は、相続税の税率が40%を超える方が多くいらっしゃいます。

今後の対策で税率があまり下がらないようでしたら、贈与の金額を少し多めに検討してみるのも良いでしょう。



贈与の注意点

贈与については、インターネットの記事や書籍で様々な注意点が書かれています。

中には、良い注意点もありますが、首を傾げてしまうような注意点もあります。


まず、贈与の基本でもお伝えしたように

贈与とは契約であり、受贈者が受諾しているということが大事です。

言い換えれば、あげる人ともらう人がしっかりと契約していることが大事です。


いくつかよくある疑問をあげてみましょう。


Q.111万円贈与をして贈与税1,000円支払う申告をした方が良いの?

A.わざわざ申告するために贈与税がかかる金額にする必要はございません。贈与の契約がしっかりと行われていることが大切です。


Q.子供の口座を作成して、贈与金額を振り込んでいますが良いですか?

A.御子様が贈与について受諾しているのであれば問題はありません。親御さんが口座を管理し、御子様が贈与について知らない場合に問題になります。


Q.贈与契約書を作成した方が良いですか?

A.贈与は口頭でも有効ですが、しっかりと書面に残しておくことで証拠になります。多少面倒にはなりますが、最低でも5項目(①誰が、②誰に、③いつ、④何を、⑤金額)は、記載しておくことをおすすめしております。また、あげる人ともらう人の意思が確認できるように自署捺印していただくことが望ましいでしょう。


その他にも注意点がございますが、遺言等と違い様式が決まっていないため、ご自身で作成も可能かと思います。

ですが、詳しくは税理士さんに相談し進めるのが確実でしょう。



まとめ

贈与は、次世代に財産を渡していくため、次世代に財産を管理してもらうリスクが生じます。

贈与そのものにも注意点がありますが、贈与後もとても大切になります。

税額のメリットばかり追いかけず、相続について次世代にご理解いただくことで良い贈与が行えるのではないでしょうか。


その他、配偶者への居住用財産の贈与の控除等の活用も考えていきたいところです。



当事務所は相続税の試算から、今後の展望をお聞きし、贈与についてもご案内しております。

詳しくご相談したい場合は、ご連絡いただければ幸いです。

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