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資産管理法人は株式会社と合同会社どっちが良いか

  • 椿屋会計
  • 2021年1月13日
  • 読了時間: 4分

更新日:2021年1月27日

最近、お客様より資産管理法人の設立について

「株式会社と合同会社のどちらで設立した方が良いですか?」

と、相談を受けることが多くなりました。


お客様ご自身でインターネットや書籍で法人設立を調べてくるのですが、

インターネットや書籍のほとんどが設立費用が安いということを強調されることが多く、

そのため法人設立は、合同会社が良い!と思ってしまう方が多くいらっしゃいます。


本当に合同会社の方が、株式会社よりも良いと言えるのでしょうか?


会社設立

結論からお伝えしますと、


特段の事情が無ければ資産管理法人の設立について

会社形態は、株式会社をおすすめしております。


まずは、会社形態を知ろう

会社形態は、


  1. 株式会社

  2. 合同会社

  3. 合資会社

  4. 合名会社


各々の会社形態には、それぞれ特徴があります。


なぜ、株式会社と合同会社が比較されることが多いの?

株式会社と合同会社は、出資者の責任が有限であること。

出資した分まで責任を負います。


合資会社や合名会社は、出資者の責任が無限の方が構成されるため、個人までリスクが及びます。

会社が倒産して多額の負債を抱えた場合に、出資額に関わらず、会社のすべての負債の責任を負うことになってしまいます。


そのため、リスクが高い合資会社や合名会社ではなく、

有限責任である株式会社と合同会社が比較的多く設立されています。


また、費用面において株式会社よりも合同会社の場合、

一般的な資産管理法人のように出資額が比較的少額であれば、

株式会社よりも約14万円ほど費用をかけず、合同会社を設立できるのは魅力の1つです。


このあたりが一般的によく比較されています。


では、資産管理法人としての視点から

前提として

合同会社は、定款自治が広く認められており、定款に規定することで会社法の定めと異なる定めを設けることが可能です。

そのため、仕組みをよく理解していないと面倒な問題が発生してしまうかもしれません。

詳しくは、司法書士等の専門家へ相談してみるのが良いかと思います。


注意点はお客様ごとにありますが、代表的な2点の注意点を挙げてみます。



1点目は、出資者と経営者


株式会社は出資をする人と経営をする人は別。

つまり、「出資者≠経営者」という会社形態となっております。

合同会社は出資者でなければ経営者になることはできません。

つまり、「出資者≒経営者」という会社形態となっております。


そのため、相続対策にも活用をしていきたい資産管理法人の場合、

出資持分や株を贈与、給与の設定等で面倒な問題が発生してしまうかもしれません。


合同会社の業務執行は、業務執行社員の過半数の決定によって行います。

つまり、持分の割合に比例せず議決権は業務執行社員ごと1となります。


資産管理法人の意思決定については、特定の社員の意思決定だけで運営できるように定款を作成しておくこと等、お客様ごと工夫しておいた方が良いでしょう。



2点目は、相続・成年後見制度


合同会社の社員(株式会社でいう取締役)は、死亡によって退社、また後見開始の審判を受けたことで退社します。

死亡した社員の相続人は原則として社員とはならず、持分の払戻請求権を相続します。

そして、社員が1名の合同会社は、社員が1名もいなくなってしまい、合同会社が解散してしまいます。


資産管理法人の場合、代々不動産経営を継続されるでしょう。

そのため、不動産を法人で所有している場合等、様々な不都合が生じてしまう可能性があります。


定款で相続人が持分を相続し、相続人を社員にすることも定めることができます。

合同会社を定款のテンプレートで設立してしまった方は、将来も見据えて定款の見直しや認知症等による成年後見制度に対応した内容に書き換えていくのが良いでしょう。



まとめ

合同会社は、設立費用や維持費の一部を節約することが出来るため、良い点もあります。

ですが、定款自治が広く認められているため、専門家と将来を見据えて定款を作成しておかないと相続対策・資産管理法人として意味をなさなくなる可能性があります。


多少の費用が出てしまいますが、特段の事情がなければ

会社形態は株式会社をおすすめしております。



詳しく内容をお聞きしてみたい方は、ご連絡ください。

税理士と司法書士の両面でご相談を承っております。


椿屋会計事務所

03-3701-0013 support@tsubakiya-kaikei.jp


株式会社杜若屋

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